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伝統の和晒を世界へ

 和晒の特徴は、江戸時代と同じく、いまも「釜」で炊くことにより晒加工を行っていることです。

 同じ木綿の生地でも、皆さんがよく使っているワイシャツやTシャツなどは、和晒よりも巾の広い生地である広幅の生地で作られています。
私たちが普段着ているワイシャツやTシャツなどは「連続自働精錬機」とよばれる機械を用い、40分ほどで晒加工品に仕上がります。生地に常時圧力をかけた状態で精錬しますので、木綿の繊維はやや扁平になります。
 これに対して和晒は、2日から4日間ずっと釜にいれた状態で、煮られながら精錬され、水洗いで洗浄し、次々と工程に重ねていきます。圧力がかかっていませんので仕上がった木綿の繊維は円形を保っています。
この円形の状態が、「日本の染色」にはもっとも重要な要素になっているのです。たとえば注染は染料を生地の上から注ぎ込んで染めます。繊維と染料が接触する時間はほんの一瞬です。ふんわりと丸い繊維で、吸収がよくないと染色はできないのです。

 近年では和晒加工している会社は減りつつあります。職人がいなくなっているのが現状です。生地は重たいし、体を痛めて辞めていきます。

 和晒を後世に残していきたい。和晒のいいところを再度確認していただきたい。今後は世界の方々に触れていただき、和晒を感じていただきたい。

​ これらのことを我々は「使命」と捉え、毎日精進していきます。

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和晒にこだわる理由

 

洋晒では表現できない質感を感じていただきたい。
皆さんが着ている洋服などは世界的に主流の洋晒がほとんどです。洋晒は生地を釜で焚くのではなく、生地をローラーではさみながら薬品の入った槽の中を強制的に通していく方法ですので、見た目にきれいですが、ややペタッとした風合いに仕上がります。

 小巾織物で織られた和晒は日本の文化です。
このように和晒は日本人の生活必需品として、永く愛されてきました。

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